otセキュリティで総合的に守りを固める

itセキュリティではインターネットやハードウェアによって脅威からシステムを守ると言う手法を取るのが一般的ですが、otセキュリティではそれだけには留まらず、総合的に守りを固めるのが特徴です。産業用ロボットに使用されているオペレーティングシステムでは何十年も前に作られていたものがそのまま使用されていたり、広く普及しているシステムとは全く互換性の無い独自のものが使用されていることがあります。しかも当時は将来起こり得る驚異の存在を予想できず、バージョンアップや最新鋭のウイルス対策ソフトの導入も想定していなかったことから、新規にツールをインストールする余裕も無い状態にあることも少なくありません。そのためハードウェア単体でのバージョンアップや脆弱性の修復などは、事実上不可能となっているのが現状です。

そこで新たに誕生した概念がotセキュリティで、他のハードウェアや運用方法の工夫などを複合的に取り入れることで総合的に守りを固めるという考え方です。古いシステムの産業用ロボットなら単体でインターネットにアクセスすることはせず、セキュリティを万全にした中央サーバーやファイヤーウォールなどを経由するように徹底するほか、制御用のプログラミングデータなどの転送が必要になった場合にはネットワークを介さずにUSBメモリで転送するなど運用面での工夫も併せて行います。これらのotセキュリティによりレガシーとなっているハードウェア資源を有効活用しながら、現代の脅威から守ることができます。